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システム開発・DX・レガシーシステムの統計データまとめ【2026年版・出典付き】

システム開発・DX・レガシーシステムの統計データまとめ【2026年版・出典付き】

社内でシステム投資の稟議を書くとき、「DXに取り組む会社はどれくらいあるのか」といった数字の根拠を求められることは少なくありません。ところが出典が不明な数字や、古い調査の孫引きも多く出回っています。

この記事では、IPA、経済産業省、総務省、中小企業庁、JUAS、警察庁が公表した一次資料だけを使い、システム開発・DX・レガシーシステム・セキュリティの統計を領域別にまとめました。数字は2026年10月時点の最新版から資料の表現どおりに記載し、記事末に資料のURLを載せています。

この記事の結論
  • DXに取り組んでいる企業は75.7%。ただし従業員「100人以下」では41.6%にとどまり、「1,001人以上」の98.7%と大きな差がある(IPA「DX動向2026」)
  • DXに取り組む企業の85.5%が、DXを推進する人材の量が「やや不足」または「大幅に不足」と回答(IPA「DX動向2026」)
  • ユーザー企業の61%がレガシーシステムを保有している(経済産業省「レガシーシステムモダン化委員会総括レポート」)
  • 2025年のランサムウェア被害報告件数は226件。被害企業の約6割が中小企業で、復旧に1,000万円以上を要した組織は5割を超える(警察庁)
目次
  1. システム開発・DXに関する統計データまとめとは
  2. DXへの取り組み状況とAI導入
  3. IT人材の不足
  4. レガシーシステム(老朽化システム)の状況
  5. IT予算とシステム開発プロジェクト
  6. 中小企業のIT活用とクラウド利用
  7. サイバー攻撃・情報セキュリティ被害
  8. ランサムウェア被害とサイバー犯罪(警察庁)
  9. 組織向けの情報セキュリティ10大脅威(IPA)
  10. 中小企業のサイバーインシデント被害(IPA)
  11. よくある質問
  12. まとめ

システム開発・DXに関する統計データまとめとは

本記事の「統計データまとめ」とは、公的機関・業界団体の調査結果のうち、システムの発注や刷新の判断材料になる数字を、出典付きで一か所に集めたものです。民間企業の独自調査や二次記事の数字は含めていません。

この記事のデータは出典を明記すれば引用・転載自由です。

領域使用した資料公表調査対象
DX・AI・IT人材IPA「DX動向2026」2026年7月19業種の企業1,799社(2026年4月中旬〜6月中旬)
レガシーシステム経済産業省「レガシーシステムモダン化委員会総括レポート」2025年5月ユーザー企業ほか(2024年12月〜2025年2月の市場動向調査)
IT予算・開発プロジェクトJUAS「企業IT動向調査2026」2026年4月東証上場企業とそれに準じる企業957社(2025年9月〜10月)
中小企業のIT活用中小企業庁「2026年版 中小企業白書」2026年4月中小企業
クラウド・テレワーク総務省「令和7年通信利用動向調査」2026年5月常用雇用者100人以上の企業(2025年8月末時点)
サイバー攻撃警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」2026年3月2025年の認知・検挙状況
セキュリティ脅威・中小企業の被害IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」、IPA「2024年度 中小企業等実態調査」2026年1月/2025年2月組織向け脅威の順位/中小企業4,191社

DXへの取り組み状況とAI導入

企業規模による差が最もはっきり出ているのがこの領域です。

項目数値母数・補足
何らかの形でDXに取り組んでいる企業75.7%全回答企業
同(従業員1,001人以上)98.7%従業員規模別
同(従業員100人以下)41.6%従業員規模別
DXの取組で「成果が出ている」60.8%DXに取り組んでいる企業
AIを「導入している」42.3%全回答企業
AIを導入または試験利用している58.0%「導入している」42.3%+「現在、試験利用をしている」15.7%

出典:IPA『DX動向2026』(2026年7月)

発注者にとっての意味:従業員100人以下の企業でDXに取り組んでいるのは41.6%で、半数に届いていません。同規模の競合より先に業務のデジタル化を進めれば、それ自体が差別化になりうる段階だといえます。

発注者にとっての意味:DXに取り組む企業のうち「成果が出ている」は60.8%で、裏を返せば約4割は成果を実感できていないか、判断できていません。着手前に「何をもって成果とするか」を決めておくことが重要です。

発注者にとっての意味:AIを導入・試験利用している企業は58.0%に達しています。新規開発では、将来のAI連携を見据えたデータ整理が設計時の論点になりつつあります。

IT人材の不足

項目数値母数・補足
DX推進人材が「大幅に不足している」50.1%DXに取り組んでいる企業(2023年度調査は62.1%)
「やや不足している」「大幅に不足している」の合計85.5%DXに取り組んでいる企業

出典:IPA『DX動向2026』(2026年7月)

発注者にとっての意味:「大幅に不足」は2023年度の62.1%から50.1%に下がったものの、不足感の合計は85.5%と依然高い水準です。社内だけで推進体制をそろえるのは多くの企業で難しく、外部パートナーとの役割分担を前提に計画を立てるのが現実的です。

レガシーシステム(老朽化システム)の状況

経済産業省の委員会が「2025年の崖」の現在地を検証した総括レポートから、市場動向調査(2024年12月〜2025年2月実施)の数字をまとめます。

項目数値補足
レガシーシステムを保有しているユーザー企業61%中小企業よりも大企業の保有率が高い
メインフレームのシステムを有していたユーザー企業のうち、メインフレーム以外に移行している企業52%移行済みの割合
中期経営計画に大規模システムの導入・刷新を記載するユーザー企業12%経営計画への記載状況

出典:経済産業省『DXの現在地とレガシーシステム脱却に向けて レガシーシステムモダン化委員会総括レポート』(2025年5月)

発注者にとっての意味:ユーザー企業の61%がレガシーシステムを保有しており、「2025年」を過ぎても老朽化の問題は解消していません。更新の優先順位付けが出発点になります。

発注者にとっての意味:大規模システムの刷新を中期経営計画に記載している企業は12%にとどまります。システム刷新は複数年度にまたがるため、経営計画と予算に組み込まないと先送りされやすいことを示す数字です。

IT予算とシステム開発プロジェクト

JUASの調査は主に東証上場企業が対象で、中堅以上の企業の投資意欲を知る手がかりになります。

項目数値・結果補足
IT予算のDI値(2025年度計画)43.3ポイント計画値としては過去10年間で最高値
IT予算のDI値(2026年度予測)39.9ポイント高い水準を維持
システム開発のQCD(品質・費用・納期)「QCDに改善の可能性がみられるも、全体の傾向は引き続き悪化・横ばい」プロジェクト規模別に集計

出典:JUAS『企業IT動向調査2026』(2026年4月)。DI値は、IT予算を「増加する」と答えた割合から「減少する」と答えた割合を差し引いた値。

発注者にとっての意味:IT予算を増やす企業が減らす企業を大きく上回っており、開発会社やエンジニアへの需要は高い状態が続いています。着手時期から逆算して早めに相談するほうが体制を確保しやすくなります。

発注者にとっての意味:QCDの傾向は「悪化・横ばい」と報告されており、品質・費用・納期のぶれは上場企業でも珍しくありません。要件定義と見積もり前提の確認に時間をかけることが、発注側にできる有効な対策です。

中小企業のIT活用とクラウド利用

総務省の通信利用動向調査は常用雇用者100人以上の企業が対象である点に注意してください。

項目数値出典
デジタル化の取組段階が「段階2」(アナログからデジタルツールを利用した業務環境へ移行)の事業者約6割中小企業庁『2026年版 中小企業白書』(2026年4月)
「AI活用に取り組んだ」中小企業約3割同上
クラウドサービスを一部でも利用している企業8割を上回る総務省『令和7年通信利用動向調査』(2026年5月)
テレワークを導入している企業50.1%同上

発注者にとっての意味:中小企業の約6割は、デジタルツールを使い始めた「段階2」にあります。次の段階であるデータ活用や業務効率化に進むには、ツールを個別に入れるだけでなく、業務とデータのつながりを設計し直す必要があります。

発注者にとっての意味:クラウドサービスを一部でも利用している企業は8割を上回っており、クラウドはもはや特別な選択肢ではありません。新規開発では、オンプレミスとクラウドを費用と運用体制で比べる検討が標準的な手順になっています。

サイバー攻撃・情報セキュリティ被害

ランサムウェア被害とサイバー犯罪(警察庁)

項目(2025年)数値
ランサムウェアの被害報告件数226件
被害企業に占める中小企業約6割
侵入経路に占めるVPN機器6割以上
復旧に総額1,000万円以上を要した組織全体の5割超
1か月未満で復旧した組織全体の5割強にとどまる
サイバー犯罪の検挙件数1万5,108件(過去最高)

出典:警察庁『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』(2026年3月)。侵入経路・復旧費用・復旧期間は被害組織へのアンケート結果。

発注者にとっての意味:ランサムウェア被害の約6割は中小企業で、「規模が小さいから狙われない」とはいえません。復旧に1,000万円以上かかった組織が5割を超えることから、セキュリティ対策の費用は被害額と比べて判断する必要があります。

発注者にとっての意味:侵入経路の6割以上がVPN機器です。業務システムの開発・保守を依頼する際は、アプリケーションだけでなく、VPN機器やサーバーの更新・パッチ適用を誰が担当するかを契約で明確にしておくことが大切です。

組織向けの情報セキュリティ10大脅威(IPA)

順位脅威
1位ランサム攻撃による被害
2位サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
3位AIの利用をめぐるサイバーリスク(初選出)
4位システムの脆弱性を悪用した攻撃
5位機密情報を狙った標的型攻撃

出典:IPA『情報セキュリティ10大脅威 2026』(2026年1月)。6〜10位は省略。

発注者にとっての意味:2位の「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」は、発注者と委託先の双方に関係します。委託先を選ぶ際には、開発体制だけでなくセキュリティ管理の体制も確認項目に加えることが望まれます。

中小企業のサイバーインシデント被害(IPA)

項目数値
過去3期のサイバーインシデントによる被害額の平均73万円
100万円以上の被害額だった企業9.4%
復旧までに要した期間の平均(過去3期)5.8日(50日以上は2.1%)
不正アクセス被害の原因で「脆弱性(セキュリティパッチの未適用等)を突かれた」48.0%(不正アクセス被害企業 n=419)
「情報セキュリティ対策投資をしていない」企業62.6%

出典:IPA『2024年度中小企業等実態調査結果』速報版(2025年2月)。調査期間は2024年10月25日〜11月6日、回収数4,191件。最新の公表版です。

発注者にとっての意味:不正アクセス被害の48.0%がパッチ未適用などの脆弱性によるものです。システムは作って終わりではなく、更新作業を保守契約に含めることが被害を減らす最も基本的な手段といえます。

オーバーエックスの考え方

統計は安心材料にも危機感の根拠にもなります。大切なのは、全体の数字と自社の状況を並べてみることです。たとえばレガシーシステムの保有率61%という数字を見たら、自社のどのシステムが該当し、保守できる人が何人いるかを書き出してみる。そこまで具体化すると、稟議の説得力も、開発会社への相談の質も大きく変わります。私たちは、こうした現状の整理から一緒に行うことを大切にしています。

引用・転載について

このページの表・数字・図は、出典としてこのページへのリンクを明記していただければ、ブログ・社内資料・研修資料などに自由に引用・転載できます。費用やご連絡は不要です。

出典表記(コピーしてお使いください)

よくある質問

この記事の数字は引用してもよいですか?
はい。この記事のデータは出典を明記すれば引用・転載自由です。各数字の元資料名もあわせて記載してください。
中小企業のDX取組率はどれくらいですか?
IPA「DX動向2026」によると、何らかの形でDXに取り組んでいる企業は従業員100人以下で41.6%です。全体では75.7%、従業員1,001人以上では98.7%でした。
「2025年の崖」の後、レガシーシステムは減ったのですか?
経済産業省の総括レポート(2025年5月)では、ユーザー企業の61%がレガシーシステムを保有している状況と報告されています。

まとめ

一次資料の数字からは、DXやAI活用が全体として進む一方で、従業員100人以下の企業ではDXの取組が41.6%にとどまること、DX推進人材の不足感が85.5%と高いこと、ユーザー企業の61%がレガシーシステムを抱えていることが読み取れます。また、ランサムウェア被害の約6割は中小企業で、復旧に1,000万円以上を要した組織が5割を超えています。

システムの新規開発や刷新を検討する際は、こうした数字を社内説明の根拠にしつつ、自社のシステム・人材・セキュリティの状況と照らし合わせて優先順位を決めることが大切です。

参考:
IPA「DX動向2026」
経済産業省「DXの現在地とレガシーシステム脱却に向けて レガシーシステムモダン化委員会総括レポート」(PDF)
JUAS「企業IT動向調査2026」(PDF)
中小企業庁「2026年版 中小企業白書」第5節 デジタル化・DX
中小企業庁「2026年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要」(PDF)
総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」
警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(PDF)
IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」
IPA「2024年度中小企業等実態調査結果」速報版

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TechBase 編集部(株式会社オーバーエックス)

東京・秋葉原のシステム開発会社。業務システム・Webシステム・基幹システムの受託開発、自社パッケージ開発、ITコンサルティングを手がけています。オーバーエックスの特徴を見る

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