• システムリプレイス・レガシー刷新

レガシーシステムとは?放置するリスクと脱却の方法

レガシーシステムとは?放置するリスクと脱却の方法

「うちの基幹システムは20年近く前に作ったものだが、問題なく動いているので替える必要はないのでは」「レガシーシステムという言葉をよく聞くが、自社のシステムが当てはまるのか分からない」。古いシステムを使い続けている企業の多くが、こうした疑問を抱えています。動いているシステムに投資するのは判断が難しく、つい先送りになりがちです。

この記事では、レガシーシステムとは何かを定義したうえで、自社のシステムが該当するかを判断するチェックポイント、放置した場合の具体的なリスク、そして脱却に向けた進め方の全体像を、発注者目線で解説します。

この記事の結論
  • レガシーシステムとは、古い技術や仕組みのまま使い続けられ、維持や変更が難しくなったシステムのこと
  • 「古いこと」自体よりも、変更できない・分かる人がいない・支えられないことが問題
  • 放置すると、保守費用の増加、セキュリティリスク、業務改善の停滞が進む
  • 脱却は現状把握→優先順位づけ→段階的な移行の順で、一度にすべてを替えないのが現実的
目次
  1. レガシーシステムとは?
  2. 「古い=レガシー」ではない
  3. 自社のシステムはレガシー?判断のチェックポイント
  4. レガシーシステムを放置するリスク
  5. レガシーシステムから脱却する方法
  6. 脱却の方式の選び方
  7. 費用と期間の考え方
  8. よくある質問
  9. まとめ

レガシーシステムとは?

レガシーシステムとは、過去の技術や設計のまま長年使い続けられた結果、維持や変更が難しくなっているシステムのことです。「レガシー(legacy)」は「遺産」という意味で、かつては会社を支えてきた資産でありながら、今では負担になっている状態を表しています。

経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」では、既存システムの老朽化・複雑化・ブラックボックス化を放置すると、2025年以降に大きな経済損失が生じる可能性がある「2025年の崖」として警鐘が鳴らされました。2025年を過ぎた現在も、多くの企業でこの課題は続いています。

「古い=レガシー」ではない

誤解されやすい点ですが、開発から年数が経っていることだけでレガシーシステムになるわけではありません。適切に保守され、資料が整い、変更にも対応できているシステムであれば、古くても問題は小さいといえます。逆に、数年前に作ったシステムでも、中身が分からず誰も手を入れられない状態なら、レガシー化が始まっているといえます。

レガシーシステムの3つの特徴

技術的な老朽化サポートが終了したOS・言語・製品の上で動いており、更新や部品の調達が難しい
ブラックボックス化設計書がなく、仕様を説明できる人がいないため、変更の影響が読めない
業務との乖離度重なる継ぎ足しで複雑になり、今の業務や経営の変化に合わせられない
3つのうち1つでも当てはまれば、レガシー化のリスクがあると考えましょう。

自社のシステムはレガシー?判断のチェックポイント

自社のシステムがレガシーシステムに当てはまるかどうかは、次の項目で確認できます。

  • OS・ソフトウェアのサポート:サーバーOSや開発言語、データベースのサポートが終了している
  • 保守できる人:システムの中身を理解している人が社内外に1人以下しかいない
  • 設計書:設計書がない、または何年も更新されていない
  • 改修の時間と費用:小さな変更でも見積もりが高く、期間が長い
  • 周辺システムとの連携:他システムやクラウドサービスとデータ連携ができず、手作業で補っている
  • 現場の不満:Excelでの二重管理や、システム外での手作業が増えている

当てはまる項目が3つ以上あれば、レガシー化が進んでいる可能性が高いといえます。特に「保守できる人」と「OS・ソフトウェアのサポート」は、ある日突然業務が止まる原因になりうるため、優先して確認しましょう。

レガシーシステムを放置するリスク

「動いているから大丈夫」と放置すると、次のようなリスクが少しずつ大きくなっていきます。

リスク具体的に起こること
保守費用の増加古い技術を扱える技術者が減り、保守費や改修費が年々上がる
セキュリティリスクサポート切れの製品に脆弱性が見つかっても修正されず、攻撃の入口になる
障害時の長期停止ハードウェアの部品が手に入らず、復旧できる人もいないため、停止が長引く
業務改善・DXの停滞新しいサービスと連携できず、業務の効率化やデータ活用が進まない
人材面の問題古い操作に慣れた社員に業務が集中し、新しい社員が戦力になりにくい

特に注意したいのは、保守費用が「守り」にばかり使われ、新しい取り組みに予算を回せなくなることです。IT予算の多くが既存システムの維持に消えてしまう状態は、DXレポートでも課題として指摘されています。

ハードウェアの老朽化にも注意オンプレミス(自社設置)のサーバーで動いている場合、ソフトウェアだけでなくサーバー機器そのものの故障リスクも高まります。保守部品の供給が終わった機器は、故障すると復旧に長い時間がかかることがあります。

レガシーシステムから脱却する方法

レガシーシステムからの脱却というと、全面的な作り直しを想像しがちですが、業務を止めずに進めるには段階的なアプローチが現実的です。

  1. 現状を把握する機能、データ、連携先、利用者、サーバー構成、保守体制を洗い出し、ブラックボックスの部分を明らかにする
  2. 課題と優先順位を整理するサポート切れや属人化など、止まったら困る部分から優先順位をつける
  3. 脱却の方式を選ぶそのまま新しい環境に移す、作り替える、パッケージやSaaSに置き換えるなど、部分ごとに方式を決める
  4. 段階的に移行する影響の小さい部分や効果の大きい部分から順に移行し、新旧を並行稼働させて確認する
  5. 新しいシステムを育てる資料の整備と保守のルールを決め、再びレガシー化させない

脱却の方式の選び方

段階的に移行するメリット

  • 業務への影響を小さく抑えられる
  • 一度に必要な予算が少なくて済む
  • 途中で方針を見直しやすい

一括で刷新する場合の注意点

  • 要件の漏れが本番稼働後に発覚しやすい
  • 予算と期間が大きく、失敗の影響が大きい
  • 移行当日のトラブルで業務が止まる恐れがある

具体的な方式(リホスト・リライト・リビルドなど)の違いについては、別の記事で詳しく解説しています。どの方式を選ぶ場合も、最初の「現状把握」を省略しないことが成功の条件です。

費用と期間の考え方

費用はシステムの規模や方式によって大きく異なり、一概にはいえません。目安として、中小企業の業務システムを作り直す場合で数百万〜数千万円程度、期間は半年〜1年半程度かかるケースが多く見られます。まずは現状調査と方針検討の段階だけを依頼し、全体像と概算を把握してから判断する進め方もおすすめです。

オーバーエックスの見解レガシーシステムの中には、長年の業務ノウハウが詰まっています。オーバーエックスでは、古いシステムを「捨てるもの」ではなく「業務知識の宝庫」ととらえ、現状調査で業務ルールを丁寧に読み解いたうえで、残すべきもの・変えるべきものを整理しています。一度に全部を替えるのではなく、業務を止めない段階的な移行をご提案することを大切にしています。

よくある質問

レガシーシステムとは何年以上経ったシステムのことですか?
年数による明確な定義はありません。古い技術のまま維持や変更が難しくなっている状態を指すため、数年前のシステムでも、中身が分からず変更できなければレガシー化しているといえます。
問題なく動いているレガシーシステムも替えるべきですか?
すぐに替える必要がない場合もありますが、サポート切れや保守できる人の不在がある場合は、止まる前に計画を立てるべきです。まずは現状を調べ、リスクの大きい部分から優先的に対応しましょう。
レガシーシステムから脱却するには何から始めればよいですか?
最初にやるべきは現状把握です。機能、データ、連携先、サーバー構成、保守体制を洗い出すことで、どこにリスクがあり、どこから手を付けるべきかが見えてきます。
レガシーシステムの刷新に使える補助金はありますか?
要件を満たせば、デジタル化・AI導入補助金などの制度を活用できる場合があります。制度の内容や公募時期は年度ごとに変わるため、最新の公募要領を確認しましょう。

まとめ

レガシーシステムとは、古い技術や設計のまま、維持や変更が難しくなったシステムのことです。問題は古さそのものではなく、変更できない・分かる人がいない・支えられない状態にあります。放置すると保守費用やセキュリティリスクが増し、業務改善も進まなくなります。まずは現状を把握し、リスクの大きい部分から段階的に脱却を進めましょう。

参考:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(経済産業省)

OX

TechBase 編集部(株式会社オーバーエックス)

東京・秋葉原のシステム開発会社。業務システム・Webシステム・基幹システムの受託開発、自社パッケージ開発、ITコンサルティングを手がけています。オーバーエックスの特徴を見る

この記事に関連するサービス システムリプレイス 老朽化したシステムやサポートが終わるシステムを新しく置き換えます。仕様書がないシステムも、画面・データ・プログラムの解析から対応し、段階的な移行で業務を止めずに切り替えます。 サービスの詳細を見る

Contact

今すぐ無料相談

全国対応

Page Top