事業再構築補助金はどうなった?後継制度とシステム開発費

「事業再構築補助金を使って新しい事業のシステムを作りたいと考えていたが、もう募集していないと聞いた」「以前に事業再構築補助金で作ったシステムを入れ替えたいが、何か制限があるのか」といった相談を受けることがあります。事業再構築補助金はシステム開発にも使われてきた大型の補助金でしたが、新規の募集はすでに終了し、後継の制度に引き継がれています。
この記事では、事業再構築補助金の現在の状況と後継制度の流れ、後継制度でシステム開発費を計上する際の考え方、すでに採択を受けた企業が注意すべき点、ほかに検討できる制度を解説します。制度の内容は2026年9月時点の公開情報です。申請の際は必ず最新の公募要領を確認してください。
- 事業再構築補助金は、2025年3月締切の第13回公募をもって新規募集を終了した
- 後継の中小企業新事業進出補助金も新規受付を終え、2026年度からは「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が受け皿になっている
- 後継制度でも、新事業に必要なシステムであれば「機械装置・システム構築費」として計上できる
- 採択済みの企業は、事業化状況報告や財産処分の制限が続くため、システムの入れ替えや廃棄の前に事務局への確認が必要
事業再構築補助金とは?現在の状況
事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業等が、新分野展開や業態転換などの思い切った事業の再構築に取り組む際の設備投資などを支援する目的で、2021年に始まった国の補助金です。建物の改修費や機械装置・システム構築費などを幅広く対象とし、補助額も大きかったことから、新事業のためのシステム開発にも活用されてきました。
その後、制度の目的をコロナ対応から成長投資へと移しながら公募が続けられましたが、2025年の第13回公募をもって新規募集は終了しました。現在の流れは次のとおりです。
事業再構築補助金から後継制度への流れ
| 時期 | 制度の動き |
|---|---|
| 2021年度〜 | 事業再構築補助金の公募開始(新分野展開、業態転換などを支援) |
| 2025年3月 | 第13回公募の締切。これが新規募集の最終回となる |
| 2025年度 | 後継として中小企業新事業進出補助金が始まる(既存事業と異なる新市場への進出を支援) |
| 2026年度 | 中小企業新事業進出補助金とものづくり補助金が統合され、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金となる。中小企業新事業進出補助金の新規受付は終了 |
後継制度の概要と事業再構築補助金との違い
2026年9月時点で、新しい事業のための投資を支援する主な制度は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金です。革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠の3つの枠があり、事業再構築補助金に近い使い方ができるのは新事業進出枠です。
| 項目 | 事業再構築補助金(終了) | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 新分野展開、業態転換など事業の再構築 | 既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出 |
| 補助上限額 | 枠・規模により異なる | 従業員規模により2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円) |
| 補助率 | 枠・規模により異なる | 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3) |
| 主な要件 | 事業再構築指針に沿った取り組みであること など | 付加価値額の年平均4.0%以上の成長、給与支給総額の年平均3.5%以上の増加、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くすること など |
| システム構築費 | 対象経費に含まれた | 「機械装置・システム構築費」として対象(必須の経費) |
大きな違いは、賃上げや付加価値額の成長といった数値要件がより明確になった点です。システムを作ることで新事業の売上と付加価値がどう伸び、それを賃上げにどうつなげるかまで、一貫した計画が求められます。2026年第1回公募の応募締切は2026年10月30日(金)18:00です。
後継制度でシステム開発費は対象になる?
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、「機械装置・システム構築費」が対象経費に含まれ、専用ソフトウェアや情報システムの構築費を計上できます。ただし、対象になるのは新しい事業や製品・サービスを実現するために必要なシステムです。
計上しやすいシステム
- 新事業で提供するサービスの予約・決済・会員管理の仕組み
- 新たに始める製品の受注・生産を管理するシステム
- 新市場の顧客向けのWebサービスやアプリ
計上しにくいシステム
- 既存事業の業務効率化だけを目的とした社内システム
- 既存の基幹システムの単純な入れ替え
- 補助事業期間の終了後に発生する保守・運用費
具体的な枠の選び方や事業計画の書き方は、次の記事で詳しく解説しています。
関連記事新事業進出・ものづくり補助金でシステム開発する方法と採択のコツ
すでに事業再構築補助金を受けた企業の注意点
事業再構築補助金で開発したシステムを使っている企業は、補助事業が終わった後も一定の義務が続きます。システムの改修や入れ替えを検討する際は、次の点を確認しましょう。
- 事業化状況報告:補助事業終了後5年間、毎年の事業化状況の報告が求められる。報告を怠ると補助金の返還を求められる可能性がある
- 財産処分の制限:補助金で取得した資産は、一定期間、目的外の使用、譲渡、廃棄などが制限される。システムの廃棄や大幅な入れ替えの前には事務局への確認・承認手続きが必要になる場合がある
- 収益納付:補助事業から一定以上の収益が出た場合、補助金の一部の納付を求められることがある
- 保守・改修費は自己負担:補助事業終了後の保守費や機能追加の費用は、原則として補助の対象外
- 後継制度への申請条件:過去の採択事業者に対する申請の制限や審査上の扱いがある場合があるため、公募要領で確認する
関連記事システムリプレイスとは?進め方・費用・失敗しないポイント
ほかに検討できる制度
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の要件に合わない場合でも、投資の内容によってはほかの制度を使える可能性があります。
制度ごとに対象経費や要件が大きく異なるため、「何に投資するか」から候補を絞り込むことが大切です。
関連記事中小企業のDX・システム化に使える補助金・助成金まとめ
よくある質問
- 事業再構築補助金は2026年にも募集がありますか?
- 事業再構築補助金の新規募集は、2025年3月締切の第13回公募で終了しています。2026年度は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が新事業への投資を支援する主な制度になっています。
- 事業再構築補助金の後継制度は何ですか?
- 2025年度に中小企業新事業進出補助金が後継として始まり、2026年度にものづくり補助金と統合されて、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金になりました。
- 後継制度でもシステム開発費は補助されますか?
- 新事業や新製品・サービスの実現に必要なシステムであれば、「機械装置・システム構築費」として計上できます。既存業務の効率化だけを目的としたシステムは対象になりにくい点に注意が必要です。
- 事業再構築補助金で作ったシステムを入れ替えても問題ありませんか?
- 補助金で取得した資産には、一定期間の財産処分の制限があります。入れ替えや廃棄の前に、事務局への確認や承認の手続きが必要かどうかを確認しましょう。
まとめ
事業再構築補助金は2025年の第13回公募で新規募集を終了し、後継の中小企業新事業進出補助金を経て、2026年度からは新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が新事業への投資を支援しています。後継制度でも、新事業に必要なシステムであれば構築費を計上できます。
すでに事業再構築補助金を受けた企業は、事業化状況報告や財産処分の制限に注意し、システムの入れ替えを計画する際は早めに確認しましょう。
参考:中小機構:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金/中小機構:中小企業新事業進出補助金(いずれも2026年9月時点)
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