システム保守費用の相場は開発費の何%?内訳と契約形態

「システムの保守費用として毎月一定額を払っているが、何に使われているのかわからない」「新しくシステムを作るので保守費の予算も確保したいが、相場がわからない」。保守費用は、システムを使い続ける限り毎年発生するため、長い目で見ると開発費に匹敵する金額になることもあります。
この記事では、システム保守費用の相場の目安、費用の内訳、契約形態ごとの特徴、費用が高くなる要因、そして保守費を見直すときのポイントを解説します。
- システム保守費用の相場は、年間で開発費の10〜15%程度が目安。開発費1,000万円なら年間100万〜150万円程度
- 保守費用には不具合対応、問い合わせ対応、OSやミドルウェアの更新、監視などが含まれる。何が含まれるかは契約ごとに違う
- 契約形態は月額定額・時間契約・スポット対応が代表的。システムの重要度と改修頻度で選ぶ
- 保守費が高いと感じたら、対応範囲と実績を確認し、ドキュメント整備や保守会社の見直しも検討する
システム保守費用とは
システム保守費用とは、稼働中のシステムを安定して使い続けるために、不具合の修正、ソフトウェアの更新、問い合わせ対応などを開発会社や保守会社に依頼する費用です。システムは完成した時点で終わりではなく、利用環境の変化やセキュリティの脆弱性(弱点)への対応、業務の変化に合わせた修正が継続的に必要になります。
なお、「保守」と「運用」は混同されやすい言葉です。一般に、運用はシステムを日々動かすための作業(監視、バックアップ、利用者のサポートなど)、保守はシステム自体を修正・更新する作業を指します。契約によっては両方をまとめて「運用保守」として扱います。
保守費用の相場は開発費の10〜15%
システム保守費用は、年間で開発費の10〜15%程度が一般的な目安とされています。ただし、システムの規模や重要度、求める対応レベルによって幅があります。
開発費別・年間保守費用の目安
| 開発費 | 年間保守費(10〜15%) | 月額換算 |
|---|---|---|
| 300万円 | 30万〜45万円 | 約2.5万〜3.8万円 |
| 1,000万円 | 100万〜150万円 | 約8.3万〜12.5万円 |
| 3,000万円 | 300万〜450万円 | 約25万〜37.5万円 |
24時間365日の監視や障害時の即時対応が必要な基幹システムでは、この目安を上回ることがあります。反対に、社内の一部部署だけが使う小規模なシステムで、平日日中の対応だけでよい場合は、目安を下回ることもあります。
開発から5年間の総額で考える
業務システムは、一般に5年から10年程度使い続けることが多いため、保守費用は長期の総額で考えることが大切です。たとえば開発費1,000万円のシステムで、年間保守費を開発費の12%程度と仮定すると、5年間の保守費は約600万円になります。
開発費1,000万円のシステムの5年間の費用イメージ
このように、保守費は開発費の半分以上に達することも珍しくありません。複数の開発会社を比較する際は、初期費用の安さだけでなく、保守費用の見積もりも取り寄せて、5年程度の総額で比べることをおすすめします。予算申請の際も、この総額で社内に説明しておくと、後から保守費の確保で困ることがありません。
保守費用の主な内訳
機能追加や大きな改修は保守の範囲外として、別途見積もりになるのが一般的です。どこまでが月額に含まれ、どこからが追加費用になるのかを契約で明確にしておくことが大切です。
保守契約の主な形態
契約形態ごとの特徴
| 契約形態 | 内容 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 月額定額 | 決められた範囲の作業を毎月定額で行う | 業務に欠かせないシステムで、安定した対応が必要 | 作業がない月も費用が発生する。範囲外の作業は追加費用 |
| 時間契約(チケット制) | 月○時間など、作業時間の枠を購入して使う | 小さな修正や問い合わせが定期的にある | 繰り越しの可否、超過時の単価を確認する |
| スポット対応 | 必要なときにその都度見積もり・依頼する | 利用頻度が低く、停止しても影響が小さい | 緊急時にすぐ対応してもらえない可能性がある |
どの形態を選ぶ場合も、対応時間帯、障害時の初動までの時間、復旧目標などの対応レベルをSLA(サービスレベル合意)として取り決めておくと、期待とのずれを防げます。
保守費用が高くなる要因
- 対応時間の範囲:夜間・休日や24時間対応が必要な場合は、体制の確保に費用がかかる
- システムの重要度:停止が売上や業務に直結するシステムは、監視や冗長化の範囲が広がる
- 古い技術の使用:サポートが終了したOSや言語を使っている場合、対応できる技術者が限られ費用が上がる
- ドキュメントの不足:設計書がなく、調査のたびに時間がかかる
- 外部連携の多さ:連携先の仕様変更への対応が頻繁に発生する
保守費用を見直すときのポイント
保守費用が高いと感じたら、まず「何にいくら使われているか」を確認することから始めます。
- 契約内容と対応範囲を確認月額に含まれる作業、対応時間、SLAの内容を洗い出す
- 過去の対応実績を確認月ごとの問い合わせ件数、作業時間、障害件数の報告を求める
- 必要な対応レベルを見直す24時間対応が本当に必要か、平日日中で足りるかを業務の実態から判断する
- ドキュメントを整備する設計書や手順書を整えると、調査時間が減り費用の削減につながる
- 必要に応じて保守会社を比較ソースコードと資料がそろっていれば、別の会社への引き継ぎも検討できる
保守会社を変更する場合は、引き継ぎに必要な資料と期間を確保し、並行運用の期間を設けることがトラブルを防ぐポイントです。
よくある質問
- 保守費用は開発費に含まれていますか?
- 一般的には含まれておらず、リリース後に別の契約として発生します。ただし、リリース直後の一定期間は契約不適合責任の範囲で無償対応とする契約もあるため、見積もりの段階で確認しましょう。
- 保守費用はずっと同じ金額ですか?
- システムが安定すれば、対応範囲を見直して金額を下げられることがあります。反対に、機能追加や利用者の増加、使用している技術のサポート終了などにより、費用が上がることもあります。
- 開発した会社以外に保守を依頼できますか?
- ソースコードや設計書を受け取っていれば可能です。引き継ぎには、新しい保守会社がシステムを理解するための調査期間と費用がかかるため、余裕を持って計画しましょう。
まとめ
システム保守費用は、年間で開発費の10〜15%程度が目安ですが、対応時間やシステムの重要度、使用している技術によって変わります。月額に何が含まれ、何が追加費用になるのかを契約で明確にし、定期的に対応実績を確認することが、適正な保守費用を保つポイントです。新しくシステムを作る際は、開発費と保守費を合わせた総額で予算を検討しましょう。
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