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業務フロー図の書き方|システム化前の業務整理のコツ

業務フロー図の書き方|システム化前の業務整理のコツ

「システム化の前に業務フロー図を用意してくださいと言われたが、どう書けばいいのかわからない」「書いてみたものの、細かすぎたり粗すぎたりして役に立たない」。業務フロー図は、業務の流れを関係者で共有し、システム化の範囲や課題を見つけるための基本的な道具です。しかし書き方の決まりを知らないまま作ると、読み手によって解釈が分かれる図になってしまいます。

この記事では、業務フロー図の意味と役割、基本の記号、書き方の6ステップ、わかりやすく書くコツ、システム化の前に業務を整理する観点を解説します。専門知識がなくても、Excelや手書きで今日から書き始められる内容にまとめています。

この記事の結論
  • 業務フロー図とは、誰が・何を・どの順番で行うかを図で表したものです。
  • 記号は「開始・終了」「処理」「分岐」「書類・データ」「矢印」の5種類を押さえれば十分です。
  • 書き方の基本は、登場人物を縦(横)の列に並べるスイムレーン形式で、左上から右下へ流すことです。
  • システム化の前は、図をもとにムダ・重複・例外・属人化を洗い出すことが最大の目的です。
目次
  1. 業務フロー図とは?
  2. 業務フロー図の役割
  3. 業務フロー図の基本の記号
  4. 業務フロー図の書き方6ステップ
  5. わかりやすい業務フロー図を書くコツ
  6. システム化の前に業務を整理する観点
  7. 業務フロー図と一緒に整理しておきたい資料
  8. よくある質問
  9. まとめ

業務フロー図とは?

業務フロー図とは、ある業務の始まりから終わりまでの作業の流れを、担当者(部署やシステム)ごとに、決められた記号と矢印を使って図式化したものです。業務フローチャートと呼ばれることもあります。文章で書くと長くなる業務手順を、一目で把握できる形にするのが目的です。

システム開発では、現在の業務を表す「現状(As-Is)の業務フロー」と、システム導入後の業務を表す「あるべき姿(To-Be)の業務フロー」の2種類を作るのが一般的です。両者を比べることで、システムが担う範囲と業務の変化が明確になります。

業務フロー図の役割

認識をそろえる部署間や発注者と開発会社の間で、業務の流れについて同じ理解を持てます。
課題を見つける待ち時間、二重入力、確認の重複など、改善すべき点が見えるようになります。
要件の土台にするどの作業をシステム化するかを決め、要件定義や受入テストの基準にします。

業務フロー図の基本の記号

業務フロー図には、JIS規格のフローチャート記号やBPMNという表記法などがありますが、社内で共有する目的なら次の基本記号だけで十分です。

記号の形意味使い方の例
角の丸い四角開始・終了「注文を受ける」「出荷完了」
四角処理・作業「在庫を確認する」「伝票を入力する」
ひし形分岐・判断「在庫はあるか?」でYes/Noに分ける
下辺が波形の四角書類・帳票「注文書」「納品書」
円柱データ・システム「販売管理システム」「Excel台帳」
矢印流れの向き作業の順番、書類やデータの受け渡し

記号の種類を増やしすぎると、読み手が意味を覚えられなくなります。使う記号は最小限にして、図の余白に凡例を付けておくと親切です。

業務フロー図の書き方6ステップ

  1. 対象業務と範囲を決める「受注から請求まで」など、どこから始まりどこで終わるかを決めます。
  2. 登場人物を洗い出す業務に関わる部署、担当者、取引先、システムを列挙します。
  3. スイムレーンを作る登場人物ごとに縦または横の列(レーン)を作り、左端や上端に名前を書きます。
  4. 作業を時系列で並べる最初の作業から順に、担当者のレーンに四角を置いて矢印でつなぎます。
  5. 分岐と例外を加える判断が必要な箇所にひし形を置き、Yes/Noそれぞれの流れを書きます。
  6. 現場に確認して修正する実際の担当者に見てもらい、抜けている作業や例外を補います。

スイムレーン形式の例(受注業務・現状)

順序営業受注担当倉庫経理
1顧客から注文を受ける(電話・FAX)
2注文書を受注担当に回すExcel受注台帳に入力
3在庫を電話で確認在庫表を見て回答
4出荷指示書を作成出荷・納品書発行
5受注台帳を見て請求書を作成(再入力)
実際の業務フロー図では各作業を四角で囲み矢印でつなぎます。この例だけでも「在庫確認の電話」「経理の再入力」という改善点が見えてきます。

わかりやすい業務フロー図を書くコツ

  • 流れの向きを統一する:左から右、または上から下に一方向で流し、矢印の交差を減らす。
  • 作業名は「名詞+動詞」で書く:「確認」ではなく「在庫数を確認する」のように具体的に書く。
  • 粒度をそろえる:「請求業務」と「ボタンを押す」のように大きさの違う作業を混在させない。
  • 1枚に収まる範囲にする:大きくなる場合は全体図と詳細図に分ける。
  • 書類とデータの流れも書く:どの帳票やファイルが誰から誰に渡るかを明記する。
  • 例外処理を忘れない:キャンセル、返品、差し戻しなど、頻度は低くても手間のかかる流れを書く。

ツールはExcelやPowerPoint、無料の作図ツールで構いません。最初は付箋とホワイトボードで関係者と一緒に書き、固まってから清書すると、現場の意見を取り込みやすくなります。

システム化の前に業務を整理する観点

業務フロー図は書くこと自体が目的ではありません。現状のフローをもとに、次の観点で業務を見直すことで、システム化の効果を高められます。

見直す観点

  • 同じ情報を何度も入力していないか(二重入力)
  • 待ち時間や確認の往復が多い箇所はないか
  • 特定の人しかできない作業はないか(属人化)
  • そもそも不要になった作業はないか

避けたい進め方

  • 現状の業務をそのままシステムに置き換える
  • 例外処理を無視して理想の流れだけ描く
  • 現場に確認せず管理者だけで書く
  • 図を作って満足し、課題を議論しない

現状の業務をそのままシステム化すると、ムダな作業までシステムに組み込むことになり、費用が膨らみます。業務を整理してからシステム化の範囲を決めることが、費用対効果を高める近道です。

業務フロー図と一緒に整理しておきたい資料

業務フロー図だけでは、各作業で扱う情報の中身まではわかりません。システム化の前には、次のような資料もあわせて整理しておくと、要件定義がスムーズに進みます。

資料内容役立つ場面
業務一覧対象業務の名前、担当部署、頻度、所要時間システム化の優先度を決めるとき
帳票・画面のサンプル現在使っている注文書、Excel台帳、伝票入力項目や出力帳票を決めるとき
業務ルール一覧単価の決め方、締め日、承認の条件など計算ロジックや分岐を設計するとき
課題一覧業務フロー上の問題点と、困っている人システム化の目的と効果を説明するとき

特に業務ルールは担当者の頭の中にしかないことが多く、業務フロー図を書く過程で「この場合はどうしているのか」と質問していくと引き出しやすくなります。見つかったルールはフロー図の余白や別紙にメモしておきましょう。頻度と所要時間を記録しておくと、システム化による削減効果を試算する根拠にもなります。

オーバーエックスの考え方オーバーエックスでは、要件定義の最初に業務フロー図を発注者と一緒に作ることを重視しています。きれいな図でなくても、現場の担当者が書いたメモや手書きの図があれば十分な出発点になります。現状の流れを可視化したうえで、システムで解決すべき課題と、運用ルールの見直しで解決できる課題を切り分けてご提案しています。

よくある質問

業務フロー図は発注者が作る必要がありますか?
必須ではありませんが、発注者が現状の業務フローを用意しておくと、要件定義の期間と費用を抑えやすくなります。開発会社が作成する場合も、内容の確認と修正は発注者が行う必要があります。
業務フロー図はどのくらい細かく書けばよいですか?
最初は主要な作業の流れがわかる程度で十分です。システム化する範囲が決まったら、その部分だけ入力項目や判断基準がわかる粒度まで詳しくしていきましょう。
業務フロー図を書くのに専用のツールは必要ですか?
必要ありません。ExcelやPowerPoint、手書きでも問題なく作れます。関係者が見て修正しやすい形式を選ぶことが大切です。
現状の業務フローとあるべき姿の業務フローはどちらを先に書きますか?
現状の業務フローを先に書くのが基本です。現状を正しく把握してから課題を洗い出し、それを解決する形であるべき姿のフローを描くと、現場の実態に合った改善案になります。

なお、業務フロー図は一度作って終わりではありません。システム稼働後も業務の変更に合わせて更新しておくと、担当者の引き継ぎや次のシステム改修の際に大いに役立ちます。

まとめ

業務フロー図とは、誰が・何を・どの順番で行うかを図で表したもので、基本の記号とスイムレーン形式を押さえれば誰でも書けます。システム化の前に現状のフローを可視化し、二重入力や属人化などの課題を洗い出すことで、要件定義の精度と費用対効果を高められます。

OX

TechBase 編集部(株式会社オーバーエックス)

東京・秋葉原のシステム開発会社。業務システム・Webシステム・基幹システムの受託開発、自社パッケージ開発、ITコンサルティングを手がけています。オーバーエックスの特徴を見る

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