サーバー老朽化のリスクとリプレイスの判断基準

「社内のサーバーを導入してから7年以上経つが、特に問題なく動いている」「保守会社からサーバーの入れ替えを提案されたが、本当に今必要なのか判断できない」。業務システムを自社設置のサーバーで動かしている企業では、こうした悩みがよく聞かれます。サーバーは目に見えにくい設備のため、故障するまで老朽化に気づかないことも少なくありません。
この記事では、サーバー老朽化とは何か、老朽化を放置するとどのようなリスクがあるのか、リプレイス(入れ替え)を判断する基準、そして入れ替え時にクラウド化も含めてどう選ぶかを、発注者目線で解説します。
- サーバーの入れ替えは導入から5年前後が一つの目安で、保守部品やOSのサポート期限も判断材料になる
- Windows Server 2016は2027年1月12日(米国時間)で延長サポートが終了するため、該当する企業は早めの計画が必要
- 放置すると、突然の故障による業務停止やデータ消失、セキュリティ事故につながる
- 入れ替え時は同じ構成で更新するか、クラウドへ移行するかを比較して決める
目次
サーバー老朽化とは?
サーバー老朽化とは、業務システムやファイル共有などに使っているサーバーの機器やOS・ソフトウェアが古くなり、故障やセキュリティ上の問題が起きやすくなった状態のことです。サーバーは24時間動き続けることが多く、ハードディスクや電源、冷却ファンなどの部品は、使い続けるほど故障の確率が高まります。
サーバー老朽化には、大きく分けて「ハードウェアの老朽化」と「ソフトウェアの老朽化」の2つの側面があります。
サーバー老朽化の2つの側面
ハードウェアの老朽化
- ハードディスクや電源などの部品の劣化
- メーカーの保守サービスや部品供給の終了
- 処理性能やディスク容量の不足
ソフトウェアの老朽化
- OSのサポート終了によるセキュリティ更新の停止
- データベースやミドルウェアのサポート終了
- 新しいソフトウェアとの互換性の低下
サーバー老朽化を放置するリスク
「今は問題なく動いている」サーバーでも、老朽化を放置すると、ある日突然次のような問題が起きる恐れがあります。
特に深刻なのは、故障とサポート切れが重なったときです。メーカーの保守が切れた機器で故障が起きると、中古部品を探したり、急いで新しいサーバーを調達したりすることになり、数日から数週間業務が止まることもあります。
サーバーリプレイスの判断基準
サーバーを入れ替えるべきかどうかは、次の基準で判断します。一つでも当てはまれば、入れ替えの計画を立て始めるタイミングです。
- 導入からの年数:導入から5年前後が経過している。税法上のサーバーの耐用年数も5年とされている
- メーカー保守の期限:ハードウェアの保守契約や部品供給の終了が近い、または終了している
- OSのサポート期限:使っているOSのサポート終了が近い、または終了している
- 故障や警告の発生:ディスクの警告、予期しない再起動など、不調の兆候が出ている
- 性能・容量の不足:処理が遅い、ディスク容量が逼迫しているなど、業務に支障が出ている
主なWindows Serverのサポート期限
| OS | 延長サポート終了日 | 状況(2026年9月時点) |
|---|---|---|
| Windows Server 2012 / 2012 R2 | 2023年10月10日 | 終了済み |
| Windows Server 2016 | 2027年1月12日 | 残り約3か月半 |
| Windows Server 2019 | 2029年1月9日 | サポート中 |
日付は米国時間です。Windows Server 2016を使っている場合、サポート終了まで残りわずかです。サーバーの入れ替えには、機器の選定から移行、テストまで数か月かかるのが一般的なため、まだ計画がない場合はすぐに着手しましょう。
リプレイスの方法:オンプレミス更新かクラウド移行か
サーバーを入れ替える際は、同じように自社設置のサーバーを新しくする方法と、クラウドサービスに移行する方法があります。
| 比較項目 | オンプレミスで更新 | クラウドへ移行 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 機器購入費がかかる | 抑えやすい |
| 月々の費用 | 保守費・電気代など | 利用料が継続的にかかる |
| 次回の入れ替え | 5年前後で再び必要 | 機器の入れ替えは不要 |
| 障害対応 | 自社または保守会社が対応 | 機器障害はクラウド事業者が対応 |
| 向いているケース | 社内ネットワークでの利用が中心、特殊な機器と連携 | 拠点が複数、テレワーク対応、運用負担を減らしたい |
どちらが適しているかは、システムの使い方や社内の体制によって異なります。クラウドにすれば機器の老朽化の心配はなくなりますが、OSやソフトウェアのサポート期限の管理は引き続き必要です。
関連記事オンプレミスとクラウドの違い|業務システムはどちらを選ぶべきか
リプレイスの進め方
- 現状把握サーバーの台数、用途、動いているシステム、OSやソフトウェアのバージョンを一覧にする
- 方針決定オンプレミス更新かクラウド移行か、業務システムの改修が必要かを決める
- 新環境の構築新しいサーバーやクラウド環境を用意し、システムを移す
- テストとデータ移行業務の流れに沿って動作を確認し、本番データを移行する
- 切り替えと旧機器の処分業務への影響が少ない日に切り替え、旧サーバーのデータは確実に消去してから処分する
期間は規模によりますが、2〜6か月程度が目安です。業務システムの改修を伴う場合は、さらに長くなることがあります。
あわせて使いたい業務システムのサポート期限カレンダー|OS・Office・DB・言語の終了日一覧【毎月更新】
よくある質問
- サーバーは何年で入れ替えるべきですか?
- 一般的には導入から5年前後が入れ替えの目安とされています。あわせて、メーカーの保守期限やOSのサポート期限を確認し、早いほうに合わせて計画を立てましょう。
- Windows Server 2016はいつまで使えますか?
- Windows Server 2016の延長サポートは2027年1月12日(米国時間)で終了します。終了後もサーバーは動きますが、セキュリティ更新が提供されなくなるため、それまでに移行を完了させるのが望ましいです。
- 故障していないサーバーを入れ替えるのはもったいなくないですか?
- 故障してから入れ替えると、業務停止やデータ消失の損失が入れ替え費用を上回ることがあります。計画的に入れ替えれば、業務への影響を最小限に抑えられます。
- サーバーをクラウドに移行すれば老朽化の心配はなくなりますか?
- 機器の老朽化や故障への対応はクラウド事業者に任せられます。ただし、OSやソフトウェアのサポート期限の管理、業務システムの保守は引き続き必要です。
まとめ
サーバー老朽化を放置すると、突然の故障による業務停止やデータ消失、サポート切れによるセキュリティ事故につながります。導入から5年前後、メーカー保守やOSのサポート期限が近いときは、入れ替えを検討するタイミングです。特にWindows Server 2016は2027年1月にサポートが終了するため、該当する企業は早急に計画を立てましょう。入れ替えの際は、オンプレミス更新とクラウド移行を比較し、業務システムへの影響も含めて判断することが大切です。
参考:Windows Server 2016 – Microsoft Lifecycle(Microsoft Learn)/Windows Server 2019 – Microsoft Lifecycle(Microsoft Learn)
この記事に関連するサービス
システムリプレイス
老朽化したシステムやサポートが終わるシステムを新しく置き換えます。仕様書がないシステムも、画面・データ・プログラムの解析から対応し、段階的な移行で業務を止めずに切り替えます。 サービスの詳細を見る



