• 業務システム

工程管理システムの開発費用と機能|製造業・建設業向けにパッケージと比較

工程管理システムの開発費用と機能|製造業・建設業向けにパッケージと比較

「工程表をExcelで作っているが、変更のたびに全員へ配り直している」「現場の進捗が見えず、遅れに気づくのがいつも後手になる」。製造業や建設業でこうした悩みを抱え、工程管理システムの導入や開発を検討する企業は少なくありません。一方で、パッケージ・SaaS・自社開発のどれを選ぶべきか、費用はいくらかかるのかがわかりにくいのも実情です。

この記事では、工程管理システムとは何かという基本から、製造業・建設業それぞれで必要な機能、開発費用の目安、パッケージとの比較のしかた、開発の進め方までを発注者の目線で整理します。自社に合う選択肢を判断するための材料として活用してください。

この記事の結論
  • 工程管理システムは、作業の計画(工程表)・進捗・負荷を一元管理し、遅れを早く見つけて手を打つための仕組み。
  • 費用の目安は、SaaSなら月額利用料中心、パッケージ導入で数百万円程度、スクラッチ開発で500万〜2,000万円程度と幅がある。
  • 製造業は設備・人の負荷と生産計画、建設業は現場ごとの工程表と協力会社との共有が重視点で、求める機能が異なる。
  • 標準機能で足りるならパッケージ・SaaS、独自の段取りや他システムとの連携が多いなら自社開発が向く。
目次
  1. 工程管理システムとは?
  2. 生産管理システム・原価管理システムとの違い
  3. 製造業・建設業で求められる機能の違い
  4. 共通して必要になる基本機能
  5. 工程管理システムの導入方法と費用の目安
  6. パッケージ・SaaSと自社開発の比較
  7. 工程管理システム開発の進め方
  8. 失敗しないためのポイント
  9. よくある質問
  10. まとめ

工程管理システムとは?

工程管理システムとは、製品の製造や工事の完成までに必要な作業(工程)の順番・日程・担当・進み具合を管理し、計画どおりに進めるためのシステムです。工程表(ガントチャートなど)の作成、実績の入力、遅れの検知、計画の組み替えといった機能を持ちます。

Excelやホワイトボードでの工程管理は手軽ですが、計画変更が多い現場ほど「最新版がどれかわからない」「実績の集計に時間がかかる」「担当者しか全体像を把握していない」といった問題が起きがちです。工程管理システムは、こうした情報を1か所に集め、関係者が同じ最新情報を見られる状態をつくります。

生産管理システム・原価管理システムとの違い

工程管理は、より広い業務システムの一部として扱われることもあります。範囲の違いを整理しておくと、どこまでをシステム化するか決めやすくなります。

システム主な管理対象代表的な機能
工程管理システム作業の日程・順序・進捗工程表作成、進捗入力、負荷の把握、遅延アラート
生産管理システム受注から出荷までの生産全体生産計画、所要量計算、在庫・購買、工程管理を含むことが多い
原価管理システム製品・工事ごとのコスト実行予算、原価の集計、予実比較

製造業では工程管理が生産管理システムの機能の一つとして組み込まれるケースが多く、建設業では工程管理と原価管理・案件管理をセットで考えるケースが多いのが特徴です。

製造業・建設業で求められる機能の違い

同じ「工程管理」でも、製造業と建設業では管理したい単位や関係者が異なります。導入を検討する際は、自社の業種でどの機能が中心になるかを最初に押さえておきましょう。

製造業の工程管理

  • 製品・ロット・製造指示単位で管理
  • 設備や作業者の能力(負荷)を見ながら日程を組む
  • 特急品や設備停止による計画の組み替えが頻繁
  • 現場端末やバーコードでの着手・完了入力
  • 生産管理・在庫管理との連携が重要

建設業の工程管理

  • 工事(現場)単位で管理
  • 工種ごとの工程表(バーチャート・ネットワーク工程表)を作成
  • 天候や資材の納期で日程が変わる
  • 協力会社・職人との工程共有が欠かせない
  • 原価・案件管理、写真・日報との連携が重要

共通して必要になる基本機能

  • 工程表の作成・編集:ガントチャート形式で作業と期間を設定し、ドラッグ操作などで日程を変更できる機能。
  • 進捗・実績の入力:着手・完了・進捗率を現場から入力し、計画との差を自動で表示する機能。
  • 遅延の検知と通知:予定日を過ぎた作業や、後工程に影響する遅れを担当者や管理者に知らせる機能。
  • 負荷・人員の把握:設備や作業者、職人の割り当て状況を一覧で見て、偏りを調整する機能。
  • 権限と共有:社内・協力会社など立場ごとに閲覧・編集できる範囲を分ける機能。
  • 帳票・データ出力:工程表の印刷やPDF化、実績データのCSV出力など。

製造業で、設備の能力や段取り替えの時間まで考慮して自動で日程を組みたい場合は「生産スケジューラ」と呼ばれる専門ソフトの領域になります。自動化の範囲をどこまで求めるかで、費用は大きく変わります。

工程管理システムの導入方法と費用の目安

工程管理システムを導入する方法は、大きくSaaS(クラウドサービス)、パッケージ、スクラッチ開発(自社専用にゼロから開発)の3つです。以下は一般的な目安で、利用人数や機能範囲、連携の有無によって上下します。

導入方法初期費用の目安期間の目安向いているケース
SaaS(クラウド型の工程管理サービス)数万〜数十万円程度+月額利用料数週間〜2か月まずは工程表の共有から始めたい、標準的な業務
パッケージ+カスタマイズ200万〜1,000万円程度3〜8か月業界向けパッケージの標準機能でおおむね足りる
スクラッチ開発500万〜2,000万円程度4〜12か月独自の段取り・計画ルール、既存システムとの連携が多い

スクラッチ開発の費用は、関わる人数と期間(人月)で決まります。人月単価の目安はPMで100万〜160万円、SEで80万〜120万円、PG(プログラマー)で60万〜100万円程度です。また、稼働後は保守費として年間で開発費の10〜15%程度を見込んでおくのが一般的です。

工程管理システムで費用が増えやすい要素(目安のイメージ)

自動スケジューリング大
他システム連携大
現場入力(タブレット等)中
協力会社への公開中
工程表の作成・表示小〜中
工程表の表示だけでなく、計画の自動作成や連携をどこまで求めるかで工数が大きく変わります。

パッケージ・SaaSと自社開発の比較

工程管理システムの選び方で迷ったときは、「標準機能に業務を合わせられるか」「他のシステムとどこまでつなぐ必要があるか」の2点を軸に考えると整理しやすくなります。

比較項目パッケージ・SaaSスクラッチ開発
導入スピード早い要件定義から始めるため時間がかかる
初期費用抑えやすい高くなりやすい
業務への適合標準機能の範囲内。業務を合わせる必要がある自社の段取り・帳票・ルールに合わせられる
他システムとの連携用意された連携方法に限られることが多い生産管理・原価管理・会計などと自由に設計できる
ランニングコスト利用人数に応じた月額費用が続く保守費・サーバー費が中心
将来の変更提供側の仕様変更に左右される自社の判断で機能追加できる

たとえば「工程表を全員で共有したい」という目的が中心なら、SaaSで十分なことが多いでしょう。一方、「受注データから工程を自動で起こしたい」「実績を原価管理に自動で流したい」「自社独自の段取りルールで計画を組みたい」といった要件がある場合は、パッケージのカスタマイズが膨らみやすく、スクラッチ開発のほうが合理的になるケースがあります。

カスタマイズ前提のパッケージ導入に注意パッケージに独自機能を大量に追加すると、バージョンアップのたびに改修が必要になり、保守費が想定以上に膨らむことがあります。カスタマイズ費用が本体価格を大きく上回る見積もりになった場合は、スクラッチ開発との比較も検討しましょう。

工程管理システム開発の進め方

自社開発で工程管理システムをつくる場合、最初に現場の実態を正しく把握することが成功の鍵です。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 現状の工程管理を可視化する今使っているExcelの工程表、日報、ホワイトボードなどを集め、誰がいつ何を更新しているかを整理します。
  2. 管理の単位とルールを決める製品・ロット・工事・工種など、どの単位で工程を管理するか、遅れの基準を何にするかを決めます。
  3. 要件定義必要な機能、入力する人と端末、連携するシステム、帳票などを要件定義書にまとめます。
  4. 設計・開発・テスト画面の試作を現場に見てもらいながら進めると、使われないシステムになるリスクを減らせます。
  5. 試行運用と本番移行一部のラインや現場で試行し、入力の負担や表示のわかりやすさを確認してから全体に広げます。

失敗しないためのポイント

  • 現場の入力負担を最小にする:入力が面倒だと実績が集まらず、工程管理システムが形骸化します。タップ数の少ない画面やバーコード読み取りなどを検討しましょう。
  • 最初から自動化しすぎない:自動スケジューリングは条件設定が難しく、費用も大きくなります。まずは見える化から始め、段階的に高度化するのが現実的です。
  • Excelの良さを残す:慣れた工程表の見た目や操作感を画面設計に取り入れると、定着しやすくなります。
  • 連携先を早めに決める:生産管理・原価管理・会計などとどうデータをやり取りするかは、後から決めると手戻りの原因になります。
オーバーエックスの考え方オーバーエックスでは、工程管理システムのご相談を受けた際、まず現在の工程表や日報を拝見し、「どこで情報が止まっているか」を一緒に整理するところから始めます。標準的な要件であればSaaSやパッケージの活用も選択肢としてお伝えし、独自の段取りや生産管理・原価管理との連携が必要な場合は、業務に合わせたスクラッチ開発をご提案します。秋葉原のオフィスでの対面相談のほか、オンラインでも対応しており、要件定義から開発、稼働後の保守まで一貫してお手伝いしています。

よくある質問

工程管理システムの開発費用はいくらですか?
スクラッチ開発の場合、機能や連携の範囲によって500万〜2,000万円程度が目安です。工程表の共有が中心であればSaaSの月額利用料で始められることもあります。自動スケジューリングや他システムとの連携を求めるほど費用は上がります。
工程管理はExcelのままではだめですか?
少人数で計画変更が少ないうちはExcelでも運用できます。ただし、工程表の版管理ができない、実績の集計に時間がかかる、複数人で同時に更新できないといった問題が出てきたら、システム化を検討するタイミングです。
工程管理システムと生産管理システムの違いは?
工程管理システムは作業の日程・順序・進捗の管理に特化したものです。生産管理システムは受注から生産計画、資材の手配、在庫、出荷まで生産全体を管理するもので、工程管理はその一部として含まれることが多くあります。
建設業向けの工程管理システムは製造業向けと何が違いますか?
建設業向けは工事(現場)単位で工程表を作り、協力会社や職人と共有する機能が重視されます。製造業向けは製品やロット単位で、設備や作業者の負荷を見ながら日程を組む機能が中心です。

まとめ

工程管理システムは、工程表・進捗・負荷を一元管理し、遅れを早期に発見するための仕組みです。製造業では設備や人の負荷と生産計画との連動、建設業では現場ごとの工程表と協力会社との共有が重要になります。費用はSaaSの月額利用から、スクラッチ開発の500万〜2,000万円程度まで幅があるため、まず「標準機能で足りるか」「他システムとの連携が必要か」を整理し、運用費を含めた総額で比較しましょう。

OX

TechBase 編集部(株式会社オーバーエックス)

東京・秋葉原のシステム開発会社。業務システム・Webシステム・基幹システムの受託開発、システムリプレイス、自社パッケージ開発、要件定義の支援を手がけています。オーバーエックスの特徴を見る

この記事に関連するサービス 業務システム開発 顧客管理、案件管理、在庫管理、見積・請求など、社内業務を効率化するシステムを開発します。Excel・Access・紙で行っている業務を整理し、自社の業務の流れに合わせたシステムにし… サービスの詳細を見る

Contact

今すぐ無料相談

全国対応

Page Top