PostgreSQL 14のサポート終了は2026年11月12日|バージョン確認とアップグレード手順・RDS延長サポート

PostgreSQL 14のサポートは2026年11月12日に終了します。この日に最後の修正版が公開され、それ以降はセキュリティ修正も不具合修正も出ません。業務システムのデータベースにPostgreSQLを使っていて、「うちは何版だろう」「どこまで上げればいいのか」と気になっている担当者の方も多いでしょう。
この記事では、PostgreSQL公式のバージョン方針をもとに、13〜18のサポート期限、サポート終了の影響、バージョンの確認方法、アップグレードの3つの方法(pg_upgrade・ダンプとリストア・論理レプリケーション)、Amazon RDSの延長サポート、費用と期間の目安を整理します。情報は2026年10月24日時点のものです。
- PostgreSQL 14は2026年11月12日の最終リリースでサポート終了です。PostgreSQLの各メジャーバージョンは、初回リリースから5年間サポートされます。
- 移行先は、サポート期間が長いPostgreSQL 17(2029年11月まで)または18(2030年11月まで)が候補です。途中のバージョンを飛ばして上げることもできます。
- 方法はpg_upgrade・ダンプとリストア・論理レプリケーションの3つ。止められる時間とデータ量で選びます。
- Amazon RDS for PostgreSQL 14は、2027年2月28日まで標準サポート、その後は有料の延長サポートになります。
目次
PostgreSQL 14のサポート終了とは
PostgreSQL 14のサポート終了とは、PostgreSQLの開発グループが、14系に対する修正版(マイナーリリース)の提供をやめることです。PostgreSQLは、業務システムやWebシステムで広く使われているオープンソースのデータベースです。
PostgreSQLには「メジャーバージョン」(14、15、16など)と「マイナーリリース」(14.24などの末尾の数字)があります。開発グループは、各メジャーバージョンを初回リリースから5年間サポートし、少なくとも3か月に1回、マイナーリリースでセキュリティ修正や不具合修正を提供します。5年が過ぎると最後のマイナーリリースが出て、サポートが終わります。
無償のオープンソースのため、Microsoftの製品のような有償の延長サポートは開発グループからは提供されません。クラウドやOSの提供元が独自に修正を続ける場合はありますが、その期間と範囲は提供元ごとに異なります。
PostgreSQLのバージョン別サポート期限一覧
PostgreSQLのサポート期限(2026年10月24日時点)
| バージョン | 初回リリース | 最終リリース(サポート終了) | 状況 |
|---|---|---|---|
| 18 | 2025年9月25日 | 2030年11月14日 | サポート中 |
| 17 | 2024年9月26日 | 2029年11月8日 | サポート中 |
| 16 | 2023年9月14日 | 2028年11月9日 | サポート中 |
| 15 | 2022年10月13日 | 2027年11月11日 | サポート中 |
| 14 | 2021年9月30日 | 2026年11月12日 | まもなく終了 |
| 13 | 2020年9月24日 | 2025年11月13日 | 終了済み |
15へ上げても、1年後の2027年11月にまた期限が来ます。アップグレードの手間を考えると、17か18まで一度に上げるほうが、次の作業までの期間を長くとれます。公式の方針でも、途中のバージョンを経由せずに上げられるとされています(ただし、途中の版のリリースノートはすべて読むよう推奨されています)。
関連記事業務システムのサポート期限カレンダー|OS・Office・DB・言語の終了日一覧【毎月更新】
サポートが終了すると何が起きるか
サポートが終わっても、データベースがすぐに止まるわけではありません。ただし、次のような状態になります。
- 新しい脆弱性が修正されない:データベースには顧客情報や取引データが入っているため、侵入されたときの被害が大きくなります
- データが壊れる不具合も直らない:マイナーリリースには、データ破損やクラッシュにつながる不具合の修正も含まれます
- 周辺ソフトが対応をやめていく:接続ドライバーや管理ツール、バックアップ製品が、古い版の動作確認をやめることがあります
- Linuxの提供元のサポートにも注意:OSに同梱されたPostgreSQLは、OSの提供元が独自の期間で修正を続けることがあります。どちらで管理しているかを確認してください
関連記事サポート終了(EOL)ソフトウェアを使い続けるリスクと対策
PostgreSQLのバージョンを確認する方法
バージョン確認の方法
| 方法 | わかること |
|---|---|
| SQLで SELECT version(); | 動いているサーバーのバージョン(例:PostgreSQL 14.x on x86_64-…) |
| SQLで SHOW server_version; | バージョン番号だけを表示 |
| コマンドで psql –version | psql(接続用ツール)のバージョン。サーバーの版とは違うことがあります |
| クラウドの管理画面 | Amazon RDSなどでは、データベースの設定画面に「エンジンバージョン」が表示されます |
アップグレードの方法と手順
メジャーバージョンを上げるときは、データの保存形式が変わるため、データを新しい形式に移す作業が必要です。公式ドキュメントでは、次の3つの方法が案内されています。
メジャーバージョンアップの3つの方法
| 方法 | やり方 | 止まる時間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ダンプとリストア(pg_dumpall など) | 古いサーバーからデータを書き出し、新しいサーバーに読み込む | 最も長い(データ量に比例) | データが小さい、夜間や休日に止められる |
| pg_upgrade | 既存のデータを新しい版の形式にそのまま移す | 数分程度(–link モードの場合) | 同じサーバー内で上げたい、データが大きい |
| 論理レプリケーション | 新しい版のサーバーにデータを同期し、最後に切り替える | 数秒程度(切り替え時) | ほとんど止められないシステム |
- 現状を把握するバージョン、データ量、使っている拡張機能、接続しているアプリやバッチを洗い出す
- 移行先と方法を決める移行先の版(17か18が候補)と、止められる時間に合う方法を選ぶ
- 検証環境で試す本番のコピーで移行を試し、かかった時間とエラーを記録する。リリースノートで変更点を確認する
- アプリの動作を確認する画面・帳票・バッチ・外部連携を一通りテストし、遅くなった処理がないかも見る
- 本番を移行し、戻し方も用意する移行前にバックアップを取り、問題が起きたときに元に戻す手順を決めておく
サーバーやOSも古い場合は、データベースだけでなくサーバーごと入れ替えるほうが効率的なことがあります。
関連記事サーバーリプレイスの手順と費用
Amazon RDSの延長サポート
Amazon RDS for PostgreSQLでは、AWSが独自のサポート期限を設けています。PostgreSQL 14の場合、公式の終了日より後まで標準サポートが続き、その後は有料の「RDS延長サポート」に移ります。
Amazon RDS for PostgreSQL 14のサポート期限
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| RDSの標準サポート終了 | 2027年2月28日 |
| 延長サポート(有料)の開始 | 2027年3月1日 |
| 延長サポートの終了 | 2030年2月28日 |
延長サポートでは、重大度の高い脆弱性への修正などが最長3年間提供されます。期間が終わっても上げていない場合は、AWSが自動でメジャーバージョンを上げます。追加料金がかかるため、あくまで移行までのつなぎと考えましょう。
アップグレードの費用と期間の目安
費用は、データ量、止められる時間、アプリ側の修正の有無で大きく変わります。下の表は、人月単価(60万〜160万円)から考えた大まかな目安です。
PostgreSQLアップグレードの費用・期間の目安
| 状況 | 作業量の目安 | 費用の目安 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| データベース1台、停止できる、アプリ修正ほぼなし | 0.5〜2人月 | 30万〜300万円程度 | 数週間〜2か月 |
| 複数のシステムが接続、止められる時間が短い | 2〜6人月 | 120万〜1,000万円程度 | 2〜6か月 |
| サーバーやアプリの刷新を伴う | 個別に見積もり | 300万〜1,000万円以上 | 3か月〜1年程度 |
データベースのバージョンアップが保守契約に含まれるかは、契約によって異なります。無料テンプレート集の保守契約チェックリストで、現在の契約を確認できます。
よくある質問
- 14から18へ、一度に上げても大丈夫ですか?
- 公式の方針では、途中のバージョンを経由せずに上げられます。ただし、途中の版(15・16・17)のリリースノートにある変更点はすべて確認し、検証環境でテストしてから本番を移行してください。
- マイナーリリース(14.x の末尾の数字)を上げるだけではだめですか?
- マイナーリリースの更新は、同じ14系の中での修正です。2026年11月12日の最終リリースより後は修正が出ないため、サポートを受け続けるにはメジャーバージョンを上げる必要があります。
- pg_upgrade を使えば、アプリの修正は不要ですか?
- pg_upgrade はデータの移し替えの方法で、アプリの互換性までは保証しません。SQLの動きや性能が変わることがあるため、アプリのテストは必ず行ってください。
- Amazon RDSを使っていれば、急がなくてもよいですか?
- RDSでは2027年2月28日まで標準サポートが続くため、少し余裕があります。ただし、その後は追加料金がかかる延長サポートになるため、早めに計画を立てることをおすすめします。
- 移行の間、システムはどのくらい止まりますか?
- 方法によって、数秒から数時間以上まで変わります。データ量と業務の都合を考えて、検証環境で実際の時間を測ってから決めるのが確実です。
まとめ
PostgreSQL 14は2026年11月12日の最終リリースでサポートが終了します。まず SELECT version(); で動いている版を確認し、移行先は17か18を候補に、止められる時間に合わせて pg_upgrade・ダンプとリストア・論理レプリケーションから方法を選びましょう。Amazon RDSは2027年2月28日まで標準サポートがありますが、その後は有料です。他のミドルウェアの期限もあわせて確認しておきましょう。
関連記事MySQL 8.0のサポート終了(2026年4月)|8.4 LTSへの移行と確認すること・RDS延長サポートの期限
関連記事SQL Server 2016の延長サポート終了(2026年7月14日)|影響と移行先・ESUの選び方と期限一覧
関連記事.NET 8のサポート終了はいつ?2026年11月10日の影響と.NET 10への移行手順|.NET Frameworkとの違い
参考:PostgreSQL公式「Versioning Policy」、PostgreSQL公式ドキュメント「Upgrading a PostgreSQL Cluster」、AWS「Release calendars for Amazon RDS for PostgreSQL」、AWS「Amazon RDS Extended Support with Amazon RDS」(いずれも2026年10月24日確認)。
この記事に関連するサービス
システム保守・運用
業務システムやWebシステムの監視、障害対応、セキュリティ更新、小さな修正を月額の定額制で行います。他社が開発したシステムも、引き継ぎ調査から対応します。 サービスの詳細を見る



